取得することで品質管理の基本的な知識の有無を証明できる品質管理検定(QC検定)3級。
試験合格に向けた受験対策として、過去問で勉強しているものの解き方がわからない人も多いのではないでしょうか?
今回は第35回、問1を解くために必要な知識について例題を交えながら紹介していきます。
目次
第35回QC検定問1を解くにあたり必要な知識
まず出題されていた問題の傾向を見ていくと、以下の単語の意味や解き方を知っておく必要があります。
- 平均値
- メディアン
- 平方和
- 不偏分散
- 標準偏差
それぞれの意味と求めるために必要な公式を見ていきましょう。
第35回QC検定合格知識①平均値
平均値とはデータの合計を個数で割ったものをいいます。
次の5つのデータの平均値を求める例題を見ていきましょう。(5+10+15+20+25)
平均値=(5+10+15+20+25)÷5
=75÷5
=15
このように平均値を求められます。
第35回QC検定合格知識②メディアン
メディアンとはデータを大きさ順に並べたときに、中央に来る数字です。中央値とも呼ばれるためメディアンと中央値は同じだと覚えておきましょう。メディアンの数字を求められた場合に回答する例を見ていきましょう。
(5+10+15+20+25)の5つの数字の中では、中央にある15と答えることが正解となります。多くの場合では最初から大きさ順に並んでいることは少ないため、まずは大きさ順に並べ直してから真ん中にある数字を見て回答する必要があります。
ポイントは大きさ順に並んだ状態の中央にある数字が答えであることを理解しておきましょう。
第35回QC検定合格知識③平方和
平方和とはサンプルのばらつきの大きさを表している指標です。
詳しく意味を理解しようと調べた結果、よくわからなかった人も多いのではないでしょうか?QC検定3級に合格するためには平方和の求め方を知っているだけでも十分だといえます。例題と共に2通りの解き方を見ていきましょう。
ひとつ目の解き方に必要な公式を文字で表現すると以下のようになります。
平方和=二乗の和-(和の二乗÷データの数)
ここで間違えやすいポイントとしては、二乗の和と和の二乗の位置が逆転してしまうことといえます。
例題として(5+10+15+20+25)の5つのデータから平方和を求めてみましょう。
データの和=(5+10+15+20+25)
=75
平方和={(5×5)+(10×10)+(15×15)+(20×20)+(25×25)} – {(75×75)÷5}
={25+100+225+400+625} -1125
=1375-1125
=250
上の公式は下の公式と同じ意味になります
平方和=(5²+10²+15²+20²+25²) – {(75²)÷5}
={25+100+225+400+625} -1125
=1375-1125
=250
このように式の先に来る二乗の和は数字の数が多く計算が面倒なのが特徴です。もし仮に和の二乗を入れてしまった場合には式のバランスからも違和感を覚えるかもしれません。面倒に感じますが二乗の計算をひとつずつ計算式にすることで公式を間違えてしまうミスを防ぐことができるでしょう。
ふたつ目の解き方に必要な公式を文字で表現すると以下のようになります。
平方和={(データ1-平均値)²+(データ2-平均値)²+(データ3-平均値)²..
→データの数だけデータを加えて計算する
こちらの方法でも答えは同じになります。
この方法の場合は二乗を忘れずに計算が必要です。
第35回QC検定合格知識④不偏分散
不偏分散とは母集団の分散を推定するための不偏性を持った分散です。平方和と同様に、QC検定3級に合格するためには詳しく意味を理解していなくても不偏分散の求め方を知っているだけでも十分だといえます。
例題と共に解き方を見ていきましょう。
不偏分散={1÷(データの数n-1)}×平方和
={1÷(5-1)}×250
={1÷4}×250
=62.5
不偏分散を求めるには平方和が必要です。試験では落ち着いて平方和を確実に求めてから不偏分散を求めることが重要だといえます。
第35回QC検定合格知識⑤標準偏差
標準偏差とはデータの平均値からのばらつき具合を表す値です。
分散の正の平方根(ルート)を求めることで計算ができます。
第35回の出題傾向を参考に、試験では標準偏差を求める問題ではなく、標準偏差を用いた確率計算の問題が出題されることが予想されます。
QC検定は、計算問題と語句問題のどちらも出題される
QC検定3級は例年多くの受験者が受験しています。
合格率は50%前後ですが、ポイントをしっかり理解していれば合格は難しくありません。
計算問題と語句問題がありますが繰り返し反復することで合格率を高めることができるでしょう。
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